皮なしウインナー

娘(当時2歳)はソーセージが好きです。

私が作るものも、市販のものも好んでよく食べます。

しかし、皮(羊腸ケーシング)が硬いようで嫌がります。

一度むいてあげたら、いつも皮をむけと言うようになりました。

そんなわけで、私は娘にソーセージをあげるたびに、リンゴの皮をむくように、果物ナイフでセッセとむいていたのです。

 

しかし・・・めんっどくさっ!!!

 

そこで、皮なしウインナーを作ることにしました。

 

「皮なしウインナー」は、皮が無いウインナーのことです。

今回はスモークもかけたいので、セルロースケーシングを採用。通気性があります。

よくサラミなどで透明のフィルムが付いていることがありますよね。

自分でむいて食べるやつ。あれです。

塩化ビニリデンなどの通気性のないタイプもありますが、その辺はまたの機会に。

会社員時代に試作もよくしたので、使い方は問題ありません。

ソーセージ製造時に羊腸に詰めるついでにセルロースケーシングにも詰めます。

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セルロースはひねってもすぐ戻るので、タコ糸で10センチくらいの間隔で縛ります。

そして通常どおりスモーク加熱。

写真上がセルロースケーシングに詰めたもの。

下は羊腸に詰めたものです。

羊腸は好きなように曲がっていますが、セルロースはまっすぐです。

加熱後、はさみでチョキチョキ。セルロースケーシングはむいて取り除きます。

はがし残りがわかりやすいように、縞模様が入っています。

皮をむいて完成。

TiccaToccaでは、定番のあらびきウインナーと、ふわふわほそびきウインナーで皮なしを作っています。

 

そして、娘の反応は・・・

「かわなし、おいしい!」

その後、ソーセージをあげる時、

「かわなし?」

と確認してくるようになりました。

娘のおいしい笑顔を見て、母は勝手に満足するのでありました。

 

実は皮なしウインナーも作るのはめんどくさいです。

糸で縛るところと、皮をむくところが特に。

しかし、ナイフで羊腸をむくよりはいいし、何より他にも需要がある人はきっといる!と思うのです。

天然腸を使用したソーセージの皮は、かじった時にパリっとするのが魅力ではありますが

かじる力の弱い方や、小さな子には、かじりにくく、飲み込みにくく邪魔なもの。

皮なしならば食べやすい。

そんな方々に、美味しくタンパク質の豊富なソーセージを是非利用して頂きたいと思っています。

ちなみに・・・

今回のようなセルロースケーシングは、大量生産の大工場向けです。

販売単位が大きく、製造にも機械でひねってエアーでむくと簡単です。

私のような個人店向けではありません。

そんなわけで、市販の皮なしウインナーは安価なタイプも多いです。

中身もJAS特級よりは標準のものが多い印象です。(JAS:日本農林規格についてはまたの機会に)

ですが、こだわって作るととても美味しく便利なものであると思うのです。

 

そして娘の為の商品開発はまだまだ続く・・・その後、すみっこへ。